相手:殺生丸 <犬夜叉>
「殺生丸ー、どこー?」
夜、殺生丸一行は少し休息していた。
辺りは灯りがないこの時代、真っ暗でとても人間の目では前に進むことはできない。
いつものようにりんを寝かしている時に殺生丸はすっと立ち上がり洞窟から出て行った。
(…いつもどこに行くんだろう…)
夜のせいもあり妖怪も身を潜めていたりする。
危険なので絶対達を夜に行動させることは殺生丸はしない。
それどころか、近くにいる妖怪を威嚇するために時々外を回っていたりしてくれている。
「…気になる…よね?」
誰も返事をすることない空間に言葉をつむぐ。
近くにいたりんを起こさない様に立つ。
少し邪見が身動きしたが起きない様子。
「殺生丸…」
月明かりを頼りには足を動かしていた。
+++
やはり歩いていても妖怪の姿は見当たらない。
おそらく殺生丸が近くにいるのだろう。
が歩いていると森の中でひっそりと月明かりを浴びる湖があった。
光が反射していて水面がキラキラと光っている。
「へぇ…こんなところに湖なんてあったんだ」
湖に近づいて、手のひらで掬ってみる。
凛と冷たい透き通った水が手の間からポタポタとすり抜けていく。
「殺生丸――――――――――」
「なんだ?」
「!!?」
この空間に透き通る声。
独り言で呟いた名前はなぜか返答が返ってくる。
後ろを振り向くと銀色の髪が月明かりに反射していた。
暗闇でも光る金色の瞳がを射止める。
「な…なんで…」
「…寝ていろといったはずだが、なぜかお前の気配がしたものだからな」
「だって…心配なんだもん!!」
「お前は誰に言っている?…ふらふら歩かれたほうが心配だ」
冷たそうに聞こえる言葉だけどは知っている。
その中に優しさがこめられているのを。
ただ、殺生丸は素直に言葉を伝えないだけでそこには暖かさが込められている。
「それにしてもこんなに綺麗な湖があったんだね!」
「…」
「とってもきれ…きゃっ!!」
話の途中で言葉が途切れる。
それと同時にぼちゃんと大きな音が森に反響する。
音を出した本人は今湖の中。
原因を作った人物は涼しい顔をしながらその湖の中に落ちた人物を見る。
「――――――っ!!何すんのよ!!」
「お前はわかっていない…」
「わっ!!」
お尻から思いっきり落ちた。
その全身は水を浴びてびしょびしょだ。
起き上がるように湖に足を付いたはその落とした犯人、殺生丸に文句を言う。
だが、それに聞く耳をもたない殺生丸は同じく湖の中に足を入れてに近づく。
殺生丸が怖いのかは少し後ずさりしようと足を後ろに引いたが、
その前に手を掴まれ引き寄せられた。
「お前は自分の存在が敵を誘き出すというのをわかっていないようだ」
「えっ!?」
「…お前は妖怪をその体で誘っているのだぞ」
「んっ…」
殺生丸はその腕の中にいるの首筋に顔を近づけた。
びくっと震える体にフッと笑いながら肌を流れる水滴を舐めとる。
初めて告げた真実にの頭は混乱気味だ。
もともと妖怪はの気配を感じ取り近づいてくることがある。
それに感づいていた殺生丸は夜、近づいてくる敵を片付けていたのだ。
毎晩、他の人には告げず…。
守るべき大切な者のために夜、血を眺めていたこともあった。
「もっと、私を誘ってみろ…妖しく…その身を…」
「ふ…ぁ…」
温かい舌触りと牙がの首筋…鎖骨辺りに唇を這わす。
ちくっとした痛みを感じながら殺生丸に溺れていく。
今までのお礼をその身で捧げろというかのよう…。
先ほど浴びた水が着物に貼り付いていた。
それを邪魔というかのように手で引き剥がす。
「ぁ…ん…せ…しょま…る…っ」
「足りぬ…全てを満たせ……」
妖怪を誘う。
それは殺生丸にとっても同じこと。
毎晩離れていたのは敵を倒す目的と同時にに近づかないことだった。
しかし、そのことも考えもしないでは殺生丸の後を追うかのように、あの湖に近づいてきた。
…奥のほうで手についた血を洗っていた殺生丸の存在が読めなかったようだ。
月明かりに照らされながら、二人は夜にまぎれる。
妖しく放つ二人の気配。
だが、なんびとも近づけさせない領域。
その中で今宵、二人は闇へと身をゆだねた――――――――――
# 懺 悔 #
ほいっさ。久々に微エロお題クリア。
今回は久々に手をつけた殺生丸様。
題名で妖しく(あやしく)という風だったのでこれは妖怪である殺生丸様を!と決めてました。
そして何も考えないままスタートしたら一番エロっぽくなった気がする。
でも書きやすかった。この貴公子は。
久々に書くとキャラを忘れてますが、クール…クールと目指しながら…!
このお題05:もっと妖しく誘ってよをお送りしました。
しかし、この口調で殺生丸に呼ばすわけにもいかないので(笑)
少し改造しながらですー。でも楽しかった♪
口数が少ないキャラですが;
殺生丸「……」
優「あのー殺生丸さん?」
殺生丸「…フン(鼻で笑った)」
優「!!?何か…(冷や汗だらだら)」
殺生丸「この私相手に、このようなところで区切るとは…貴様…いい度胸しているな」
優「いや、だって裏書くわけにはいかないので(心の中であせりまくり)」
殺生丸「…(無言で闘鬼神装備)」
優「ひぎゃああああーーー(脱兎)」
2008/09/11 執筆
2011/12/21 修正