第20夜





当初の目的でほうやくバロウズの川も渡ることができた。
そこでクレマンたちにお礼をいい、体を休めるためにハーティアという村に向かった。

だが、ルーディはなんか元気がなさそうに【呼び声の書】をぺらぺらと開く。



「召喚術といっても使える術ってフォギーとラミアと氷狼の3つだけだもんなァ・・・」
「まぁ、そんなにあせらなくてもいいから・・ね?ルーディ」



が心配そうに覗き込むと”これは・・・!”と驚きながらルーディは書をめくった。
ん?という表情をはしながらルーディの言葉を待った。



「新しい召喚獣・・・?」

「やっと気づいたか」



レイシィが気になって覗き込んでも彼女にうつるのはただの白紙の紙。
【呼び声の書】はある程度魔力がたまり経験をつむと見えてくる。
アシュタルや、初代フロルドは別だが。

嬉しそうにアシュタルに声をかけるも、いつものように馬鹿にされながらあしらわれてしまう。
感情的になったルーディをたしなめるのもの仕事になってきた。



「まぁ、あんな風に言ってるけど少しずつ力をつけてることを認めてるから」
「む・・・といってもなぁ・・・」

「ルーディ!新しい仲間を見せてよ!」



レイシィには見えてなくてぜひともその子たちを見たいとルーディにいう。
気分を良くしたのかルーディも気合いを入れて書を読もうとする。

そんな光景をは困ったような顔をして、アシュタルは”はぁ・・・”とため息をもらした。



『我(われ)は紅蓮の炎を纏いし騎士なり   
 我(われ)にまみえんとする者は
 我(わ)が力をもって祀るべし       
 逡巡(しゅんじゅん)することなく全てを結びし時
 我(われ) 汝と契約を結ばん』



「・・・あれ?」



召喚できる呪文と思って唱えてみたが何も起こらない。



「・・・何も起きないじゃない」



ルーディにそういったレイシィもあまりにもルーディがショックを受けているところを気の毒とおもってか
話を切り替えてハーティアに向かうように声をかけた。



「まぁ、こんなものよね・・・今までは媒体があったからできたことであって」
「・・・それに気づくか気付かないかはあいつ次第だがな」



そんな二人を見て二人はそろって溜息をはいた。






+++++



4人がハーティアに向かっていると空を覆うかのように魔力が集まりだした。
そこには一つの目が世界を見下ろしていた。



『全世界の無知なる者よ
 我ら無色の派閥は今ここに宣戦を布告する!!』

「な・・・んだよ、あれは・・・!」



驚愕してルーディは空を見る。
【呼び声の書】だけを狙っていると思っていたルーディは
まさかこんなことになるとまで予想ができてなかったのだろう。



「俺を・・・<書>だけを狙っていたんじゃなかったのかよ・・・っ」

「甘かったな」


改めてきかせるかのようにアシュタルはルーディを一刀両断した。
その横でが苦しそうに話を聞いていた。



「無色の派閥は世界を造りかえようとしている・・・
 <書>もそのために必要だったというわけだ」

(・・・私の存在もかかわってきてるんだけどね)

「フッ・・・100年ぶりの大戦か・・・面白い」



にやりと不敵な笑みをこぼすアシュタル。
その時メキメキとどこからともなく音が聞こえてきた。

巨木囲まれた村を目指していたルーディたち。
しかしその巨木に黒い物体がまとわりついていたのだ。



「大変だ、あっちには村があるのに!!」
「急ごう、ルーディ!!」



村に急ごうと駆け足でそこに向かう。
も手に魔力をこめて向かおうとするがアシュタルにその腕をつかまれる。



「・・・アシュタル?」
「相手は無色だ。お前を狙っている可能性がある・・・気をつけろよ?」

「・・・心配してくれてありがと」








+++++



少し遅れたとアシュタルがかけつけるとスラキと名乗る男が村を襲っていた。
その光景をみたルーディが止めようとしてその男に近づく。



「なんですか・・・あの子供は」



スラキが面倒くさそうにルーディのほうに顔を向けると無色が狙っているものがその手に握られていた。



「!!?・・・あれは<呼び声の書>!!?」

「ルーディを狙わせるわけにはいかないのよねー!」



スラキがいいものを見つけたという顔でみていたところで女性の声が響く。
見るといつのまにかが彼に襲いかかろうとしていた。



「ちっ・・・なんですか、あなたは!・・・ん?」
「私が相手をしてあげる・・・アシュタルとレイシィは村の人たちを!ルーディは私と一緒に!」

(・・・・・・無茶をするなとあれほど・・・)



アシュタルが心の中で心配に思っていることなど考えないで
はスラキが操る【影の巨人】の召喚獣に鋭い目線を向ける。
そのさいなにかしら反応があったことに気付いたのはだけだった。



「おや・・・あなたはもしやという名前ですか?」
「・・・だったら何?おとなしくやられてくれるのかしら?」

「御冗談・・・貴女と書を持ち帰ればさぞかしいい土産になることでしょう」

「甘くみないでね・・・?いでよ・・・【スヴァイア】!」



メイトルパの力を使いルーディが使う氷狼【アイスルバイン】と同じ属性である氷系召喚獣の【スヴァイア】を召喚する
彼女だけが使役できる四界の一つである。



様、どうかなさいましたか・・・?』
「少しの間だけ、あの方の足をとめてくれる?」

『【影の巨人】ですか・・・実体のない相手なのに』
「・・・ルーディをなんとかわからせてあげなくちゃいけないからね」

『わかりました』



すっと前の見据えたスヴァイアは手を自分の口元にあてるとふぅっと息を吐く。
すると風になり【影の巨人】に襲いかかる。
本来なら効くことがないのだが、スヴァイアの力と少しの間だけの動きを封じるためにならできる。

そのうちに人を逃がす道を作る。

ルーディは氷狼とラミアを召喚するも、【影の巨人】にかなうことはなかった。



「皆が目の色を変えて追っている割には・・・大したことありませんねェ」



”こんなことなら書もそこにいる彼女もすぐに奪えそうですね”
そういってスラキはと書を交互に見る。

その視線をものともしないではアシュタルを見ていた。

アシュタルが何かをルーディに気付かせたいのはわかるがこのままではルーディの体に限界が来てしまう。


しかし一つの光景がルーディに気付くきっかけを持たせた。



「みんな、早く逃げて!!」



レイシィが村人に肩を貸しながら誘導していると松明に足をぶつけて木に火がうつった。
それに気づいたスラキはあわてて魔力で水を呼び出して火を消した。

スラキの行動をみたルーディが何か気付いたように本を開く。



「もしかしたら【影の巨人】って火が弱点なのか!?」

(そういえば火属性の召喚獣がいたはずだ!)



さきほど呪文を唱えた召喚獣に火に纏わるものが乗っていたことを思い出す。



「さっきはダメだったけど・・・今度こそ!」


様、そろそろ足止めが効かなくなります・・・!』
「・・・ルーディ・・・お願い、気づいて・・・」



さっきよりも集中して呪文を答える。
その言葉を聞いたスラキはあせったようにルーディをみるがやはり発動しない。



「だめかっ!くそォ・・・これが呪文じゃないのかよ!?」


「ルーディ!!それは違うの・・・それは」
、言うな・・・ルーディ、【見える】と【召喚(よ)べる】とでは違うのだ」

「アシュタル・・・?どういう意味だよ!!?」


ルーディを心配したのか言ってしまおうとするの行動をアシュタルが制する。
そしてある意味深な言葉をルーディに投げかけた。

さきほどの呪文で何も出てこないことを知ったのか
スラキは嘲笑うかのように【影の巨人】を動かす。

その攻撃がルーディへと向けられるが間一髪でそれを交わす。



(このままじゃだめだ!見えるのに!読めるのに・・・!)

「俺には召喚べないのか・・・!?」


















# あ と が き #

この戦記をなるべく早く完結することを目標にしたいと思います(笑)
これでも3巻の途中ぐらいなんだけどなー。
結構長くなってしまった;
でもそのわりにはうまい文章ではないところが痛いorz
絶対書いたら修正を加えたい作品になりそうです(汗)

なかなか主人公が入り込まないというね;
頑張りたいのですが・・・!