次々と襲い掛かる敵を召喚した剣で倒していく。
何人倒したかわからないぐらいの血がねっとりと剣にしみこまれていく。
そんなアシュタルの様子を心配そうな瞳で見つめる。
自分の力がユフカに抑えられている今、腕から抜け出すことができない。
「ユフカ・・・お願いだから放して!」
「・・・なりません、あの者を始末して書を手に入れたらあなた様も連れて帰ります」
ユフカはを小さい頃から慕っていた。
彼女が人間と呼べる者とは違っていても、ユフカは兄のシミットと共にに懐いていた。
だからこそ、彼女が敵側に回ることだけは許したくなかった。
特に、書を持っている連中とは。
「だって・・・アシュタルのあんな姿見ていられないもの・・・」
「ですが・・・」
ちらっと、ユフカは自分の部下と戦っている男を見る。
最初に見せていた余裕がなくなってきたのか、体にはあちこち傷が目立つ。
息も上がってきたのか、足取りも不安定。
そんな彼を見つめるの目には涙が溜まってきていた。
____________まぁ、いい・・・もうすぐ様をつれて離れられるのだから
の手を握ってアシュタルとは別の方向・・・つまり後方に歩き出す。
召喚獣を呼びを乗せようとした瞬間、後方で魔力が集まるのを感じた。
先ほどまで戦っていた男のほうからの気配。
前に召喚しようとおもった力を後方に向けて放つ。
「出でよ・・・風の魔獣パズズ!!!」
「来たれ!!鬼神羅刹!!」
メイトルパとシルターンの魔力が街の中央に集まる。
アシュタルは自分の魔力が制御できないのを知っていて、最初から妖刀ラセツを使っていたのだ。
おかげで、生贄の血を媒介に少ない魔力で召喚することができたのだった。
それにアシュタルにとっては召喚獣と長い付き合い。
彼の願いであれば、異界の友は助けに来てくれる。
それはにとっても同じ。
『・・・ぬぅ・・・久しいのう、アシュタル』
「ああ・・・早速で悪いがこいつらの始末を頼む」
『フハハ、貴殿の召喚(たのみ)とあればお安い御用!』
「あいつらは、に手を出したんだ・・・
それ相応の報いを受けてもらわなければな・・・・」
ニヤリと微笑む彼の顔は目が恐ろしく怖かった。
鬼神羅刹はちらっと敵陣を見てみると、心配そうに顔を見上げる知り合いの少女が目に入った。
____________あれであやつの機嫌が恐ろしいのか・・・
鬼神羅刹は召喚した主人の命を受けるかの如くに妖刀を振るう。
そんな光景を見ていたは一気にアシュタルペースに進んだことにほっとしていた。
そして自分の状況がよくなったことに気付き急いでその場を離れようとする。
だが、それに気付いたユフカがを捕らえようと瞬時に判断し戻ってくる。
「様!!!!」
「!!!?」
呼ばれたことに反応してしまったのか足がその場で止まる。
それをチャンスというかのようにユフカが手を伸ばすが、その間に妖刀が突き刺さる。
その衝撃に体が浮きそうになるがその前に誰かに抱きかかえられる。
「・・・大丈夫か?」
「アシュタル・・・・アシュタル!!」
彼が傍にいたことの喜びに必死に抱きつく。
アシュタルは怪我がないか目線を配らせる。
それと同時に彼女の手首に赤く腫れている跡を見つける。
その跡はさっきまでユフカに強く握られていたことを語るものだった。
跡をそっと摩り、相手に鋭い眼差しを向ける。
『ふぅ・・・あとは細かい何匹かだな』
二人の合間を計ったように、鬼神羅刹の声が響く。
を抱きしめるように周囲を探っていると見知った気配を感じる。
「何を・・・しにきた・・・グロス・・・!!」
見据えた先にはグロスと自分の召喚主が立っていた。
「言ったはずだよ・・・街(アヴァロン)に危害を及ぼすならたとえ君でも容赦は しないと」
††
やっと10話突破ー!!
スタオに続いて10話いきましたぜ!!
投票の結果によってはどうなるかはまだわかりませんが(ぉ)
とりあえず、早めにすることを目標とします(笑)
2007/2/25