* ACT.23 Mars





大丈夫?」
「ええ、ありがと・・・レナ」



小屋の中で閉じ込められていたと子供達はレナとディアスのおかげで外に出ることができた。
心配そうにを眺めるレナに”心配かけちゃったね?”とぽんぽんと優しく体を叩いた。
それを合図にレナはぎゅっとの体を抱きしめる。

その光景を内心微笑ましくディアスは見ていた。



「でも、なんでが・・・」
「・・・」

「俺の言ったとおり・・・あの紋章術師に騙されたのだろう?」



どうしてここにいるのかと訊ねたレナには沈黙を通そうとした。
だが、ディアスの声にぐっと口を歪めた。



「やはり、あの男は危ない奴だった・・・俺は忠告しただろう?」
「・・・っ・・・」



ディアス自身責めるつもりはないが、やはり自分の考えが当たっていて、
それの被害を受けたのはだった。
心配していたが言葉は少しの怒りが勝っていた。
ついついキツイ言葉を浴びせてしまう。



「ご・・・ごめんなさい・・・っ・・・」



悲しそうに瞳を潤ませるをみたレナは言い過ぎとディアスに言おうと思ったが、
ディアスの目が止めるなというようにレナを見据えていた。

手で目元を抑えて必死に嗚咽を堪える。



「こんな風になって・・・っ、本当に二人に顔を見せることができないと思った・・・」



盗賊に捕まった時本当に思ったこと。
自分で怒って突き放してそうしておこったのはこの事態だった。
いくらあの紋章術師はを殺そうとはしてなかったとしても、
危険な目にあったのは事実だった。


(二人に顔向けできないよ・・・っ)


とうとう堪えていた涙が頬を伝った瞬間、
大きな体がを包み込んだ。
ぎゅっと抱きしめられる力に心地よさを覚える。



「ディアスっ・・・」
「お前の姿を小屋の中で見たとレナが言ったときは安心した・・・」



小さい声だったがそばにいたにはしっかりと聞こえた言葉。
堪えた涙が次々と流れ落ちた。


(ごめんなさい・・・ありがと・・・)


だがそんなことしている場合ではなかったことにここにいた三人は気づいた。



「そういえば!!村のほうが危ないんだよね・・・いかなくちゃ・・・」
「私が村にいればよかったんだけど・・・」

「過ぎたことはしょうがない・・・急ぐぞ、、レナ!」








+++++




「それにしても肩すかしですわッ!本当に私達何しに来たのかしらッ」
「でも子供たちを救い出すのが目的だったんだし・・・」
「それはそうですケド・・・」



ディアス達が救い出したと聞いたセリーヌは悔しそうに不機嫌になってしまった。

その様子に、”別に競争してたワケじゃないでしょう”と咎めるクロードに
まだ腹が立っているのか、セリーヌの機嫌は落ち着くことはない。

その後ろを紋章術師が歩いていたが手が不自然に動いた。



「だってなんだかすごーくくやし・・・」

―――――我が身に眠りし 紅蓮の炎よ・・・

(詠唱!?)



怒っていたセリーヌの耳に入ったのは炎の術である詠唱。



「クロードッ!!」
―――――我 汝の御手を求む 空気界王オリエンスの導きを もって・・・


炎の術である【ファイアーボルト】が二人を襲うが、
セリーヌの放ったシールドによってその術は防がれた。
突然の攻撃でクロードは頭がついていけなかった。



「なッ・・・何をするんですか!!?」

「―――――残念・・・
  詠唱に気付かれなければ二人まとめて始末できたのだが・・・」

「あなた、まさかッ・・・!?」



布で隠していた体には蛇の紋様が巻きついているように刻まれていた。



「こうもあっさりひっかかってくれるとはおもわなかった
  まったく・・・めでたい連中だな

  マーズの奴らもお前らも仲間を疑うことを知らんようだ」


(あの剣士と、姫は気づいていたようだが・・・)


「―――――!!お父様達をどうしたんですの!!」



セリーヌにとっては自分の村。
心配でたまらないのだろう。
感情を抑えきれないで術師に訊ねた。

そのセリーヌを嘲笑うかのようにフッと口が弧を描いた。



「簡単だったぞ・・・無防備な奴らを始末するのは」
(!!?)



悔しそうに顔を歪め怒りでセリーヌの感情は頂点に達した。
手に魔力が集まり紋章を唱える。



―――――天高き 蒼の楽園より舞い降りし 風の守護精シルフィーユ


「愚か者め!!」


―――――萌ゆる紋の徴と 天成の裁可を仰ぐ嚆矢 我がさす導により 無に還さん


「その呪文はッ!!」



セリーヌの紋章が完成する前に相手の紋章が完成した。
その呪文の意味に気がついたセリーヌだがもう遅かった・・・。

にやっと誇らしげに笑った術師は言葉を放った。



「【サイレンス】!!」

「きゃぁぁあああッ」
「セリーヌさんッ!!?」



黒いエネルギーがセリーヌの首に集まりやがて消える。
苦しそうに地面に座り込んだセリーヌにはもうすでに言葉が出すことはできなくなっていた。

術師にとって詠唱ができないのは何もできないのと同じ。
苦しそうなセリーヌを支えるようにクロードは目の前にやつ術師を見る。

この術はこの森を出るまでは効果が持続する。
つまりセリーヌを守りながらクロードは一人で戦わなくてはいけない。

しかし、もう一つ心配ごとがクロードにはあった。



「レナ達はどうしたッ!!」

「レナ・・・?
  ああ、お前たちより先に森に入った連中か・・・」



ふっと楽しそうに笑った彼の口からは残酷な言葉がはかれた。



「ククク・・・今頃は俺の部下たちに可愛がられているだろうよ・・・」
(レナ・・・!!・・・は・・・?)



クロードやディアスたちはがこの目の前にいる人物と森に向かっていると
話は聞いていた。
だが、今の会話はどうみたってレナのことだけ。
・・・一緒に向かったはずのは?



は・・・はどうしたんだ!!」

「あの娘はこちらのものだ・・・お前たちに帰す気もない」
―――――お前が彼女の名前を口にしないでもらおうか・・・



術師の言葉に誰かの声が重なったようだが緊張が走っているクロードには気がつかなかった。
その様子をみて、面白くなさそうに術師は空中に手を漂わせた。
そこには炎のエネルギーがやどっている。



「安心しろお前らもすぐに仲間の元に送ってやる」

貴様!!



剣を構えたクロードだがその軌道は敵をとらえていなかった。
空気をきっただけで終わってしまった。

その攻撃をよけた術師は詠唱を継続し【ファイアーボルト】を放つ。

術を紙一重でかわし剣先は術師の心臓を捉えていた。



「よくもレナ達を!!」


グバッ―――――


「―――――え・・・!!?」



もう少しで倒せると思った瞬間術師の雰囲気が変わった。
肉を食らいつくような音を聞いた時には遅かった・・・。
・・・クロードの腹に大きな蛇が噛みついていたのだ。

噛まれた部分が熱く熱を持つ。

その光景に驚いたようにセリーヌの目が見開く。


振り投げられたクロードのそばにより心配そうに見る。



「これは失礼・・・俺の左腕は少々行儀が悪くてな・・・」



そういった彼の左腕には蛇が絡みついていた。
腕自体が蛇と化していた。



「そろそろ遊びは終わりだッ!!」



つまらくなってきたのかさきほどより強力な【ファイアーボール】を放つ。
重傷を負って動けないクロードは最後の力でそばにいたセリーヌを突き飛ばした。

突き飛ばされたセリーヌは体制をすぐに戻しクロードみた。
苦痛に顔を歪めて血が大量にでていた。



「喉笛を噛み砕いてやれ!!」



左腕の蛇がクロード目掛けて襲う。

その時―――――――



―――――疾風をその手に集え 空気界王オリエンスの息吹となりて


詠唱が聞こえ風の刃が術師を、剣が蛇を襲った。





詠唱を放ったのは銀の髪を揺らす女性、剣を振ったのは青の髪を揺らす男性だった・・・。









# 懺 悔 #

ふぅ。久々にうったねー。それにしてもこの連載いつになったら終わるだろう(汗)
とりあえずエクスペル編は終わらないとねー。
でもまだマーズだしなー。
だってディアスと離れ離れは・・・(ぐすん)
ってかディアスのほうにつくとクロードたちとの話で二人だけということで、
なかなか面白みが(ぇ)
だから早めにこの1話で収めましたvv
そして次はディアスと主人公が一緒に戦いますvv
・・・25でなんとかマーズを終わらせます。・・・たぶん(ぇ)




2008/07/21